
色塗り2
パーツごとの塗りが完了したので、ここからは下塗りのイメージを追っていきます。
まずキャラ全体に影を入れたり、オーバーレイで画面に統一感を出します。
最終的にはレイヤーを統合し、厚塗りのエッセンスを盛り込みながらの作業になります。
全体の統一感の調整
ここでは影を入れるなり、オーバーレイで色味を統一するなりして、画面に統一感を持たせることを目標に、作業を進めます。

これが先ほどの状態。これを、

このように加工する作業です。
上の状態と比べると全体的に赤みがかった色合いで統一されたことで、画面にまとまりが生まれました。
(木刀だけ上と同じなのは、あえて浮かせたいと考えたからです。レイヤー管理に関しては後ほど)
一連の作業をGIFでまとめました↓

レイヤー状況
キャラファイルにクリッピングしての作業です。
キャラファイルには木刀と背景以外の塗りのレイヤーが全ておさめられているので、
丁度キャラクター部分のみに加筆することができます。
作業の@工程は全体を暗くする。Aオーバーレイで全体に統一感を持たせる。
Bハイライト以外の光を入れる。の三段階です。
この後は本来背景作業ですが、画面のほとんどをキャラクターが占めていること、背景の空白を光として捉えてみると面白いのではないか、という考えから白いままにすることにしました。
加筆、修正
ここからは線画、塗りのレイヤーを全て統合してからの作業となります。
レイヤーの統合はレイヤーメニューから、「画像の統合」または「表示レイヤーの結合」で行えます。下描きレイヤーなど、残しておきたいものもあったので、今回は残したいレイヤーを非表示にした状態で「表示レイヤーの結合」で統合しました。
これにより、線画、塗りが一つのレイヤーに統合されます。
 
作業は統合レイヤーに直接描きこんだり、描写レイヤーに描きこんだものを転写したりして進めます。
(レイヤー7が描写レイヤー)
描写レイヤーに描きこんで行く方が、元の統合レイヤーに影響なく作業を進められるため、修正が楽になります。
以下作業ツールは鉛筆が主体となります。
@パーツの修正
形の不自然な部分を見つけながら修正していきます。
修正は気になる所の周りの色をスポイトで取りながら描写レイヤーに鉛筆で描き加えていく作業です。


輪郭をスッキリさせました。
修正後の輪郭の線画の描写も描写レイヤーにて行います。
足が隠れてしまっていてもったいないと思ったので描き加えました。
足が出ることで体勢などもはっきりしますし。
程度は違いますが、これも輪郭をいじったのと同じ作業です。
Aハイライト入れ
白でハイライトを入れて画面にキレを与える作業です。
描写レイヤーのモードは発光ではなく通常で作業します。
特に今回は画面全体を一旦暗くしているので、気持ち多いくらい入れていきます。

目のハイライトは入れていましたが、これは暗くなる前提なので新しくハイライトを加えます。
暗くなった分際立ちます。


髪のハイライト入れです。髪のエナメル質は人体で一番つやが出る部分なのでハイライトを入れるだけでなく、光が入る部分(上部など、端の部分)に描写レイヤーとは別個にスクリーンを入れたりします。また、枝毛も描いていくとより描写に幅が持たせることができます。
B暗い部分の線画の上書き
暗くなりすぎて線画と地の色の区別がつき辛い所に行う作業です。
線画をなぞるように白を入れていきます。

上はスカート部分です。
これで線画部分が誇張されるとともに白が入ることで情報量が増します。
この作業は光入れと違ってあくまでも誇張表現なので必要最低限を意識します。
あまりたくさん入れる(暗い部分の線が全てをなぞるなど)と立体感がなくなるので注意です。
微調整
一度画像を全て統合してフィルタで調整します。
調整前

調整後


調整前と比べると彩度を若干落として色を黄色っぽく調整しました。
黄色は温かみがあって好きな色相です。
木刀加筆
最後にここまでほとんど手を付けてこなかった木刀の加筆作業に入ります。
木刀が振るわれているイメージを誇張するために、光やブレを入れていきます。
一連の作業をGIFでまとめました↓

光らせたのは単純にそっちの方がカッコいいかなと思ったからで特に理由はありません。
やっぱり攻撃エフェクトに発光は手間をかけず画面に動きを与えてくれます。
エフェクト入れ・再調整
ここで完成でも良いのですが、もう少し蛇足してみます。
かなりハイライトを散らしたのでこれ以上光を入れるのもメリハリがなくなるのでなるべく
最低限の描きこみで様になるものは・・・ということで最近マイブームの紫電を入れていきます。

まず木刀(?)を中心に放射状に細い線を発光で入れていきます。

最後にもう一つ発光レイヤーを作り、エアブラシで紫色を線をなぞるように入れてエフェクトは完成です。加えて木刀の光もさらに細かく描きこみ、統合レイヤーを選択してフィルタで再調整(また赤っぽい色に)しました。

以上で制作の全工程は終了です。
メイキングをして感じたことは、ただただ自分の説明ベタっぷり、自らに課すハードルの高さです。
自分はデジタルで絵を描き始めて2年ほど、初心者ではないにしろ勿論玄人ではなく、常に求道者の姿勢でここまで絵を描き続けてきました。
この場をお借りできたこと、まだまだ修行中の身である自分には余りある光栄でございます。
ご閲覧誠にありがとうございました。 |